積立投資を検討中のあなたのために
1000円積立で積立投資のすそ野拡大
プロに任せて分散投資
先が読めない時代。将来の所得や年金への不安から、資産運用を考える人も多いでしょう。
「銀行の定期預金では十分な金利収入が得られないが、株式・債券投資といっても何を選べばよいのかわからない」。こんな方に向いているのが投資信託です。
投資信託を利用するメリットは何でしょうか? まずは「小額から手軽に分散投資ができる」点が挙げられるでしょう。
例えば、株式に投資する場合には1銘柄につき最低100株などと購入単位が決まっています。トヨタ自動車株を購入するなら、最低でも25万円が必要です。いくつかの銘柄に投資するのなら、ある程度はまとまった資金を準備しなければなりません。
一方、投信は数千円から一万円で購入できます。多くの個人からお金を集め、これをさまざまな資産に分けて投資しているからです。1つや2つの銘柄では予期せぬ価格の急落に見舞われるケースもありますが、分散投資なら価格変動のリスクを抑えられます。例えばフィデリティ投信が運用する「日本成長株・ファンド」なら、8800円でトヨタを含む219銘柄に投資できます。
国内外の景気動向や企業の業績、市場の環境によって株式や債券の相場は複雑に動きます。会社員や主婦らが、刻々と変わる専門的な情報を日々、追い続けるのは難しいことです。投信を購入すれば資産運用を専門家に委ねられます。大まかな投資対象は決まっているが、どの銘柄を購入すればいいのかわからない人には投信が有効です。
日々の値動きがわかりやすいのも投信の特徴です。投信に絡んでしばしば使われる言葉が「基準価格」。基準価格は投信の純資産総額を全体の口数で割って算出する金額で、一口当たりの投信の値段を示します。個人が投信を購入したり売却したりする際には、この基準価格が適用されます。
運用資産が分別管理されているところも投信のメリットといえます。投信を購入した証券会社や銀行、投信の運用会社などが破たんしても、預けた資産は保護されます。
間口の広がる積立投資
銘柄分散に加えて「時間分散」も見方につけるのが積立投資です。毎月、投信を一定金額積み立てる場合、相場上昇で基準価格が上がったときは購入口数を抑え、逆に相場下落で基準価格が下がれば多く購入します。購入コストを平準化し、基準価格が上がったときに資産を増やせる利点があります。いわゆる「ドルコスト平均法」の効果です。
この数年で購入最少額が1000円程度まで下がっており、初心者に間口が広がっています。窓口で投信を販売している証券会社や銀行は、一般的に1万円から積み立てサービスを提供しています。一方、小額の積み立て購入は、投資家に直接販売する独立系投資会社が手掛け始めました。
クローバー・アセットマネジメントは2009年1月に「らくちんファンド」で1000円からの積み立てを導入。コモンズ投信の「コモンズ30ファンド」は3000円から積み立てできます。
ネット証券では楽天が09年10月に1万円だった最少積立額を1000円に引き下げたのをきっかけに、各社が追随。ファンドの種類も日本株で運用するものや外国株、債券などを対象とするものなど幅広いラインナップ。手数料無料の「ノーロード投信」も揃えています。
カブドットコム、SBIはボーナス支給時などに買い付け額を増やせるほか、楽天はホームページ上で目標金額から積立額を試算できます。ネット証券によると、投信購入者の多くが小額積み立てを利用しているそうです。
積立投資家は下がるかもしれないという不安を抑えられます。むしろ、まだまだ積立投資を続けるつもりであれば、下げは将来の成長につながるチャンスなのです。
確かに価格が下落しているときは、評価が下がります。しかし、そこはたくさんの口数を買いこむチャンスです。安いときに買い込んだ口数は将来、相場が反転したときに威力を発揮します。仕組みさえ分かれば何も怖くはありません。淡々と続けられる平穏な投資です。積立投資は価格の上下によるストレスから解放される非常に楽な投資スタイルなのです。
買い物をする時、身につけることに「ストレス」を感じたり、「嫌な気分」になったりするようなものを買うでしょうか? 似合わない洋服や、嫌いな食材を買うでしょうか? 投資も同じです。相場が上下すれば、一部の慣れている人を除いて、大きな「精神的ストレス」がかかります。
ほぼゼロ金利が続き、預金として現金を放置しておくのは嫌かもしれません。かといって投資で受ける「精神的なストレス」はもっと嫌でしょう。投資よりも預貯金を選ぶ人が多いのは、「投資で儲けたい」と思うよりも、「投資で不安やストレスを感じたくない」という気持ちの表れです。
だからこそ、積立投資の回復力をしっかり理解すれば、「気軽に投資してみようかな」という人が増えるはずです。相場の上下に一喜一憂しないで済む積立投資は、これまでの投資と似て非なる「安心できる投資方法」なのです。